第34回_大江戸バッドガイズ千里行

2015年 大塚萬劇場
主催/THE☆JACABAL’S〈ザ☆ジャカバルズ〉
脚本/阿部 ぽてと

~~~第34回~~~

【第二十二場】

   乗松屋の前。

   徳丸と佐川。

徳丸   貴方を信じた訳ではありませんよ。乗松屋の金品に手を付ける様なら、その時は。

佐川   小早川と一緒にするな。金よりデカイ手柄を貰いに来たのだ。

徳丸   ……所詮手柄の為か。

佐川   ……御免。

   辰五郎、出て来る。

辰五郎  はい。……申し訳ございません、看板もしまい、今日は終わりなのですが。

佐川   客に見えるか?

辰五郎  ……。

佐川   店主に会いに来た、案内致せ。

辰五郎  ……こちらへ。

   と、三人、乗松屋の中へ。

【第二十三場】

   道。

   乗松屋に急ぐ村雨。

村雨   おのれ~!

   そこに現れる覆面をした二人の刺客(吉兆と松本)

村雨   何だ貴様等!

吉兆・松本  ……。

村雨   刺客? 儂は急いでいるのだ、そこをどけ。

吉兆   急がずとも、お前の行く先は地獄と決まっている。

松本   お命頂戴致す。

   と、刀を抜く。

村雨   どこの誰か知らぬが、この儂に勝てると?

   吉兆と松本は無言のまま刀を構える

村雨   やられるものならやってみろ!

   吉兆・松本 対 村雨(殺陣)

   二対一でありながら、村雨が優勢に進める。

   途中、覆面を取られる吉兆。

村雨   お前は!? 儂を足止めしようということか?

吉兆   足止め? 貴様の息の音を止めに来たのだ!

   村雨が勝ち、村雨は乗松屋に向かう。

   峰打ちでボコボコにやられた吉兆と松本。

松本   大丈夫か……吉兆?

吉兆   不覚……初めから覆面を取るべきだった。

松本   覆面?

吉兆   覆面していると視界が悪い……取った後の方が、やりやすかった。

松本   一応……顔はバレぬようにと、用心したのが仇になったな。

吉兆   まだ動けるか?

松本   まだやるのか?

吉兆   当たり前だ、儂は顔がバレたのだぞ。奴を殺さねば……このままでは、ただの辻切りになってしまう。もしもの時は貴様も道連れだからな。

   と、村雨の後を追う。

松本   ……おのれ。

   と、吉兆の後を追う。

第35回へつづく

次回公演

真田黙示録

2020年 8月19日(水)~23日(日)
シアターχ(東京・両国)
作 /江戸川崇(カラスカ)
演出/重住燎
主催/THE☆JACABAL’S〈ザ☆ジャカバルズ〉
詳細はこちら>>>

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